一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
~政策動向、Fintech WG、第4次産業革命人材育成など~

2017.11.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 衆議院選挙も終わり、安倍内閣の閣僚も全員再任、世の中は平常モードに戻りました。結果は、意外と与党が善戦したのではないでしょうか、3分の2の議席を確保したのは少々驚きでした。私的には、直前に来襲した台風のおかげでしょうか、投票率は意外と伸びず、まさに(与党にとっては)神風?という気がした次第です。

 また、補正予算も動き出しました。人づくり革命で2兆円、生産性向上は?という報道ですが、内々聞く話ですと、税収の下振れなどあり、全体の規模感は昨年度の3分の2から半分程度のようです。その意味で、モノづくり補助金の内数である IT導入補助金は100億円程度(朝日新聞記事) と出ていましたが、昨年と同額というのは上出来なのかもしれません。CSAJとしては、規模的にはもう一声という感じですが、そのためには運用改善が欠かせないと思われ、政府内でもその具体化について検討が進められているようです。基本的には 補助対象のITツール・ベンダーの「見える化」や一定の要件を満たすベンダーを認定して国として補助金、税制優遇などで支援 していこうといことになりそうです。これにうまく対応できれば、IT導入補助金の今後継続的な拡大が図られ、IT業界全体のパイを広げることが期待できますので、 CSAJとしてもそれに呼応して検討WGを立ち上げて必要な意見を言っていかなければならない と考えています。

 9月21日にFintech WGがFintech協会と一緒に、 金融機関とのAPIの利用に関する契約ひな形案を策定したことを公表 しました。これは、Fintechにおいて金融機関とFintech事業者が個別事業者ごとに契約書を用意する労力を大幅に削減するとともに、金融機関と対等な立場でFintech市場の拡大を目指す上で重要な第1歩でした。ただ、その際公表したひな形案は契約書の本体だけでしたが、やっと業界内で議論がまとまり、先日(11月10日)、別紙であった 問い合わせ対応、被害拡大防止に向けた必要な態勢の整備、顧客に対する補償などの重要部分の内容も公開 させて頂きました。これでようやくFintech事業者側としては金融機関(全銀協)とAPIの利用に関して交渉の土俵に上がれる環境が整いましたので、今後建設的な議論が進むことを期待したいと思っています。

 CSAJでは、厚生労働省からの受託事業(創造プロジェクト)として第4次産業革命を担う人材育成のためのITエンジニア向けの育成カリキュラムを開発していますが、11月2日の検討会でようやく 顧客 分析企画力、デザイン思考力、アジャイル開発力、IoT、AI、ビッグデータ、仮想化、セキュリティの8項目からなるタタキ台を示す ことができました。単なるエンジニアではなく、 AI、ビッグデータ、IoTを活用して新たなビジネスを創造できる人材の育成 を目指していて、その意味でアクティブラーニングを中心にして顧客分析企画力、デザイン思考力、アジャイル開発力のカリキュラムを重視したものとしました。ただ、我々もそれに対して果たして本当にニーズがあるのか不安もありましたので、経営者や現場エンジニアの方からアンケートやヒアリングも実施しました。それによれば、経営者及び受講対象者にある現場エンジニアの両方から、 今後はまずビジネス創造力が必要 であり、その次にAI(、ビッグデータ、IoT)と続きました。やはり、 ビジネス創造のためには今後AIの力は欠かせな ということのように思えました。今後とも、ビジネス創造力及びAI分野を重視したカリキュラム開発を進めていくつもりです。

 CSAJ事務局で4か月続けてきたテレワーク期間が10月で終了しました。無事、 週1回の目標を達成 し、厚生労働省から職場意識改善助成金が頂けると思います。また、テレワーク担当者がアキレス腱を断裂し出勤できなくなったことからその必要性を自ら実証した次第です(笑)。そのためのインフラ(クラウド環境、スカイプ、携帯の内線化)も整備しましたので、その使用方法を忘れないようにするためにも 月一回程度は今後もテレワークを続ける こととしました。業務の適否は十分検討する必要はありますが、 会員各社におかれましても、いざという時のためにテレワーク制度自体はあった方が良い と思った次第です。

 

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。