コラム「経営に役立つ会計」

今号より月に1回、山田隆明CSAJ監事がコラムを執筆することになりました。
ご愛読のほどよろしくお願いします。

2010年9月1日

「会計は何のためのもの?」

CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明


新入社員A君  「当社は経理部員4人で一年中経理処理をやっていますが、なぜこれほどの手間ひまをかけて行う必要があるのですか?」
社長 「税金の計算を正しく行うためだよ。」
A君 「経理部4人分の人件費・経費を考えたら税金の計算のためだけというのはもったいないのではないでしょうか?」
社長 「何を言っているんだ、税金を正しく計算し申告することは税法上の義務なんだ。そのために決算書も正しく作らなければならない。当初は伝票枚数が多いから人数も4人必要なんだ。」

 

今日、経営者の「会計力」が問われています。
数字の読める経営者、会計リテラシーの高い経営者というものが要求されています。本屋へ行けば「会計本」がたくさん並んでいます。

会計というものは、利益を測定するためのものです。
いくら販売管理をきちんとして売上を正確に把握しても、販売管理だけでは費用までは把握できないため利益には至らない。
生産管理も同様で、会計まで持ってこないと利益は把握できない。
したがって、利益というものを管理しようとすれば会計が必須になります。

会計は、経営管理にとって重要な役割を果たすものです。
そもそも会社というものは、資金を運用して、商品・製品・サービスを提供することによって資金を増やしていく活動を行うところです。
資金を何に運用するか、すなわちどの事業に力を入れるかは、経営上の重要な意思決定です。
そして、運用のためには調達がなければならない、ここに会計が活きてくるのです。
したがって、経営意思決定を行う上で会計は重要な働きをするのです。
さらに、意思決定をした後は、決めたとおりに進んでいるか見たくなるでしょう。会計は決めたとおりに進んでいるかの管理(業績管理)のためにも重要なのです。

これらの会計は、税務など制度で義務付けられているものとは異なります。
そこで、制度会計と区別して管理会計と呼ばれます。

管理会計ツールは汎用的に適用できるものは少なく、ケースバイケースで有効なツールが異なると思われます。
むしろ、経営者の方が考えに考えた結果独自のやり方を考案し、経営に活かしたものの方が有効です。
あの京セラのアメーバ経営などが代表例です。

新入社員A君が疑問に思ったように、会計を単に税務申告のためだけに行い利益管理や経営管理に活用しないというのではあまりにもったいない。
会計は前向きに経営に活かすべきです。
会社の利益の原因はどこにあるか?
今の強みを活かして、これからどの事業・商品に力を入れていくか。
それには資金をどう運用すべきか?
また、資金をどう調達すべきか?
いっしょに考えませんか。

筆者略歴

山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html
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1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。

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