コラム「経営に役立つ会計」

2010年10月1日

「ご自分の会社をどういう方向へ導いていきたいですか?」

CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明


◎次の経営課題A,Bのうち、管理会計が対象とするのはどちらでしょう?

A「既存事業が衰退気味なので、新規事業を育成して、事業構造の転換を図りたい。」

B「従業員にとって働き甲斐のある、活き活きとした会社へと体質改善したい。」


<経営課題Aについて>
 新規事業を立ち上げて育成していくためには、夢やロマンといった右脳的なものが重要なのはもちろんです。
特に事業構造を転換するほどの重要な新規事業となると全員の熱い想いが欠かせません。

 その一方で、左脳的な「数字による管理」も重要です。

 具体的には、これから新事業をスタートして、X年後に主力事業に育て、
以後Y年間にわたっていくらいくらの利益を見込む。
その際、初期投資にいくら必要で、資金調達はどうするかなどといった計画を立てる。

そして計画したとおり進んでいるかどうかをチェックして早めに手を打つ。
この計画・実行・評価・アクションの管理サイクルです。

 「数字による管理」の甘い「成行経営」ではこれからの時代を生き延びてはいけません。

 本課題は「数字による管理」を必要とすることから、明らかに管理会計対象です。

 

<経営課題Bについて>
 最近、組織活性化や人材能力開発に関する本・セミナー・コンサルを多く目にします。
それだけこの課題に対する経営者の方の関心の高さをうかがわせます。

 組織を活性化させるには。

 リーダーシップなど「経営者の人間性」が重要なのは確かです。
社長や上司が魅力ある人ならだれしも仕事に対する意欲が涌いてくるでしょう。

 一方、この人間性という要因に対して、「制度設計」という要因があります。
「制度設計」とは、【社員を自然にヤル気にさせる仕組み作り】です。

 「制度設計をうまくやれば」組織の活性化に繋がります。
必ずしも先天的に人間味あふれた人でないと経営者としてダメというわけではないのです。
逆にこの「制度設計を誤ると」社員のヤル気も削がれてしまいます。

 例えば、予算編成の際によくある問題点ですが。
営業担当者は上司に来期の売上目標をいくらで申告するか?
多く申告すると達成できない可能性が高まることを恐れて当初は低く申告する。
しかし上司は納得せずもっと高い目標を要求する、こうして両者の間で延々と交渉が行われる。
私も以前IT企業にいたときは営業マンでしたので、毎年このような不毛な議論をしていました。

 どこに問題があるのか?
べつに営業担当者が悪いわけではない、上司でもない、
「制度に問題がある」のです。

そうであれば、【制度を改善すれば弊害を克服していけるはず】です。


 「業績管理」というのは管理会計の主要なテーマです。
その業績管理は、経営意思決定の進捗管理というだけでなく、
【社員の能力を十分に引き出すためのツール】でもあるのです。

ですからこの課題も管理会計の守備範囲です。

このようなテーマは私も大いに関心があります。

難しいテーマではありますが、【若い従業員の将来のため】です。
いっしょに挑んでいきませんか?

筆者略歴

山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html
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1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。

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