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コラム「経営に役立つ会計」
2011年1月1日
「『利益追求』と言うとイメージが悪いが・・・」
CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明
◆「『利益を上げる』というとどうもイメージが悪い、何か悪いことをしているようで後ろめたい。」
これが「『さらなる利益追求努力』となると、もう反社会的行為のごとく批判を受けてしまう。」
⇒経営者の方々は最近は「利益」という言葉を口にしづらいようです。
はたして「利益」とはそんな悪いものなのでしょうか?
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●自分の利益は相手の損失か?
そもそも経済取引が成立するのはなぜか?
取引が成立するのは、売る側だけでなく、
買う側にもメリットがあるため。
買う側にも買うか買わないかを選ぶ権利がある、
メリットがあれば買い、なければ買わない。
結果的に買ったということは、メリットがあると判断したため。
ということは、取引が成立したということは売る側だけでなく、買う側にとってもプラスになっている。
たとえば、売る側がコスト80円の商品を100円で売ろうとする、
買う側から見てたとえば130円の価値があるものを100円で買えるのなら
メリットがあるので買おうとする、
そこでこの取引は成立する。
売り手は自ら20円の利益を得て、しかも買い手に30円の満足を与えたことになる。
(売り手側)
売価100円 -コスト80円 =利益20円
(買い手側)
価値130円 -買値 100円 =満足30円
このように、【経済取引が成立したということは、双方にとってプラスになっている。】
したがって、【自分だけが利益で相手方は損失】という訳ではない。
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●では、一方が利益を上げることは、常に相手の利益にもなるのか?
極端な例として、背中に包丁を突きつけて「オイ、金を出せッ」と奪い取った場合は
どうか。
買う側から見て130円の価値しかない商品を200円で売っていたら通常は買わない。
しかし、背中に包丁を突きつけられればやむなく買わざるを得ない。
そのため、「買い手にとってはマイナスなこの取引」が成立してしまう。
あるいは博打のように、掛け金の総額から主催者の取り分を差し引いた残りを取り合う場合
参加者が取り合う額はもう決まってしまっているのだから、一方が勝てば相手は負ける
ということになる。
この場合もやはり「勝った側だけプラスになり、負けた側はマイナスとなる。」
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■以上からお分かりのように、
利益には、「良い利益」と「悪い利益」がある。
売り手(自分)が利益をあげるだけでなく、
買い手(相手側)にとってもプラスの効果を与えるのが「良い利益」であり、
与えないのが「悪い利益」である。
【「良い利益」を上げる活動は、何ら「後ろめたいこと」ではない。】
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●では次に、良い利益を前提として、「さらなる利益追求努力」することは善か悪か?
売り手が利益を「さらに追求する」方法には
主に(1)コスト削減および(2)顧客満足向上がある。
(1)コスト削減
上の例で、コストを80円を70円に下げられれば、売値を95円に下げても利益は(5円)増える。
一方、売値を下げた5円分だけ買い手にもプラスになる。
(売り手側)
売価95円 -コスト70円 =利益25円 (+5円)
(買い手側)
価値130円 -買値 95円 =満足35円 (+5円)
(2)顧客満足向上
顧客満足を高めて、買い手の価値を130円から140円に高められれば、買い手にプラスになる。
その際、たとえ売値を5円値上しても買い手にとってはまだ5円プラスになる。
(売り手側)
売価105円 -コスト80円 =利益25円 (+5円)
(買い手側)
価値140円 -買値 105円 =満足35円 (+5円)
このように、【真面目に努力してさらなる利益追求すれば、双方にとってプラスになる。】
したがって、良い利益を求めて、さらなる「利益追求努力」することはおおいに結構である。
●併せて、顧客を増やす努力もすれば、
良い利益の追求は、
特定の一顧客のためだけでなく、
広く世のため人のために貢献することになる。
【良い利益はおおいに追求すべきである。】
他方、悪い利益を追求すれば、
世の中にとって弊害となる。
【悪い利益は追求してはいけない。】
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■この数年、「市場主義」がやたらと批判を受けている。
「市場原理主義」なる造語まで飛び出して、あたかも
利益追求はすべて悪であるかのごとく言われようである。
しかし、これは【「悪い利益」と「良い利益」を混同した謬論である。】
良い利益を追求してコツコツ努力していけば、世の中も必ずあなたを受け入れてくださる。
特に若い人には「市場主義」なる批判などに臆することなく、良い利益を追求すべく、
どんどん積極的に起業していただきたいものである。
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●ここで終わると誤解を受けるおそれがあるので、もう一言付け加えておきます。
決して利益追求を「目的」とすべきではない。
あくまで「目標」とすべきであり、「目的」は別になければならない。
これを誤った企業は、「目的のためなら手段を選ばず」、
「利益のためならどんな手を使ってでもよい」と、
「悪い利益」の追求に走ってしまうためである。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html

1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。
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