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コラム「経営に役立つ会計」
2011年2月1日
「利益計画立案スキル」
CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明
◆経営計画は「利益計画」が核である。
では、経営理念を実践し100年企業を目指すにあたって必要最低限の「利益目標」は、
いかに設定すべきか?
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●まず家計のケースを考えてみると、
(1)食費・家賃などの支払にご主人の収入は不可欠である、
もしご主人の収入がなかったら本人も奥さんも生活していけない。
(2)また、いつまでも今のままで満足しているわけにもいかない。
やがては子供が生まれ必要な生活費はアップしていく。
次の子供が生まれればさらにアップする。
(3)あるいは、ご主人もいつまでも健康なままとは限らない、
病気・事故等のリスクに備えて収入の一部を蓄えておかねばならない。
このように
家計にとって利益(収入)は、
(1)最低限の衣食住のために必要不可欠
(2)家族が増えるとさらに必要
(3)病気・事故等のリスクに備えてさらに必要
●これはそっくりそのまま企業にも当てはまる。
企業にとって利益は、
(1)企業存続(今の従業員の生活など)のために必要不可欠
(2)企業拡大のためにさらに必要
(3)リスクに備えてさらに必要
ここで(2)「企業拡大のために」については、すんなりとは受け入れていただけない向きもあろう。
<まず、企業は拡大すべきものか? 言い換えれば、企業拡大は企業目的と整合するものか?>
企業の目的には、顧客のため・従業員のため・社会のためなどいろいろあろう。
顧客に優れた商品・サービスを提供することにより顧客に資することを「企業の目的」とするならば、
また顧客に資することにより従業員にも資することをも目的とするならば、
⇒従業員を増やすことは、より多くの顧客の満足に資するとともに、社会全体に貢献することになる。
すなわち、
「企業の拡大は企業目的あるいは経営理念の実践につながる。」
<
では、企業拡大の源泉は何か?>
企業は、調達したキャッシュ(G)を、効率的に運用(W)して、
より多くのキャッシュ(G')を生む活動を行って拡大する。
図式化すると、
G→W→G' (G' >G)
この
G→W→G' のサイクルを繰り返し、
G→W→G'→W'→G''・・・と拡大する(拡大再生産)。
キャッシュがG→G'→G''へ増加することで企業が拡大する。
言い換えれば、
【企業拡大のための源泉は、キャッシュ増加である。】
<
では、キャッシュ増加の源泉は何か?>
それは「利益」である。
なぜなら、キャッシュはタイムラグさえ解消されれば利益と一致するため。(*注)
以上から、
【上記(2)企業拡大のために利益が必要である。】
と言える。
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■そこで、利益目標を設定するには、
【利益が(1)(2)(3)を満たすべく必要なのであるから、
「利益目標を設定」するには「(1)(2)(3)を数値化」すればよい。】
(1)「企業存続」は、過去のデータを参考にする。
(2)「企業拡大」は、経営者のビジョンを数値化する。(外部環境を考慮しながら。)
○やはり、経営者がビジョン(夢とロマン)を追うことが経営計画管理の要諦である。
(3)「リスク備え」は、経営者が安心できる水準にリスクを設定する。
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■私は、リスク程度の見積により、3パターンでシミュレーションされることをお薦めする。
(A)(強気パターン)・・・リスク発生なく、経営者のビジョンどおりに行くことを想定。
(B)(中間パターン)・・・中程度のリスク発生を想定。あるいは現状維持と仮定。
(C)(慎重パターン)・・・大きなリスク発生を想定。
●(C)(慎重パータン)を想定するメリット
○自らが想定した大きなリスクをカバーするだけの利益を確保できる見込みがあれば、
→余裕を持って「安心した経営」を行うことができる。
○それだけの利益は見込めないとしても、
「大きなリスクが発生しても、最悪ここまでの落込みで済む」ラインが分かるため、
→「危機感」を持つとともに「安心感」も得ることができる。
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(*注)
「キャッシュはタイムラグさえ解消されれば利益と一致する」。
1.むしろ年度毎の期間損益を対象とする経営計画にとっては利益ベースのほうが有用である。
2.厳密には配当後の利益である。
3.通常は支払いのほうが回収よりも先行するため、利益の方がキャッシュより多く必要である。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html

1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。
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