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コラム「経営に役立つ会計」
2011年6月1日
「利益とキャッシュの関係&貸借対照表の本質」
CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明
◆これまでは、
「利益」についていろいろ述べてきたが、
「キャッシュ(現金・預金)」については触れてこなかった。
キャッシュは、企業活動の血液ともいえる重要な経営資源である。
⇒そこで今回は、
○利益とキャッシュの関係を明らかにし、
さらに
○貸借対照表の本質に触れてみたい。
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●「利益」は、適正な期間損益を計算するための会計上の概念のため、
仮想的であったり操作の余地もありうる。
一方、「キャッシュ」は事実であり、現実に即した数値が計上される。
●利益は収益から費用を引いたものであり、
収益はキャッシュインフロー(入金)に、費用はキャッシュアウトフロー(出金)に帰着する。
そのため、利益とキャッシュ増減は通算すれば一致する。
⇒期間損益計算を必要としないとき、
管理的には「キャッシュ」を用いた方が都合が良いケースがある。
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●今、利益とキャッシュ増減は「通算すれば」一致すると言ったが、
「通算すれば」の意味は「【タイムラグ】が解消されたとき」である。
■この「タイムラグ」をある一時点について示した表が【貸借対照表】(以下B/S)である。
B/Sは左下に利益を右上にキャッシュを表示し、タイムラグの要因を示している。
●「タイムラグ」には4タイプある。
収益と費用の両者について、キャッシュ増減より先行しているか遅れているかの、
2×2=4タイプである。
その4タイプのうち、
○資金繰り的に有利になる2つ(収益計上以前の入金と、費用計上以後の出金)が、
【資金調達】であり、B/Sの「右側」に表示される。
○資金繰り的に不利になる2つ(収益計上以後の入金と、費用計上以前の出金)が、
【資金運用】であり、B/Sの「左側」に表示される。
一般には法律的に分類した呼び名の方が行き渡っていて、
それぞれ負債・資本および資産と呼ばれる。
●外部の利害関係者との調整を目的とする制度会計では法律的な呼称でよいが、
【内部の経営管理を目的とする管理会計上は、
B/Sは資金調達と資金運用を表すと捉える方が有用なケースが多い。】
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■したがって、ここからが重要であるが、
●会社には達成すべきビジョンがある。
ビジョンを実現するために資金を用いる。
調達した資金を運用してより多くの資金を獲得する活動を通して、ビジョン実現に向かう。
⇒ビジョンという目的を達成する手段が資金である。
上述したとおりB/Sは資金調達と資金運用を示した表であるから、
⇒【B/S作成が、ビジョン実現のための道筋となる。】
●また、だれも計画を立てたなら、次は描いたとおりに進んでいるかどうか知りたくなるであろう。
計画通りに進んでいるかどうかをチェックして、
タイムリーに「適切な打ち手」を講ずることが「経営管理」である。
⇒「経営管理」のキーもやはりB/Sである。
■まとめ、
B/Sは、
○【経営者が想い描くビジョンを実現する道筋を数字で表現したもの。】
○【描いたとおりに進んでいるかの経営管理のキーとなる。】
■言い換えれば、
「数字に強い経営者は」、
○【ビジョンをもとに、自分で、将来のB/Sを作成し、】
○【描いたとおりに進んでいるか、B/Sでチェックして必要な打ち手を講ずる。】
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●ちなみに、一期間についての、利益とキャッシュのタイムラグの要因を示す表は
「キャッシュフロー計算書(間接法)」である。
●また、一期間についての【利益の原因】を示す表が「損益計算書」である。
損益計算書は、また
○従業員全員の努力成果を表すものであり、
○経営管理上は、【業績管理】にとって有用である。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html

1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。
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