コラム「経営に役立つ会計」

2011年8月1日

「経営数字を読み解くスキル」

CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明

◆経営計画を立案したら、次は計画どおりに進んでいるかどうかのチェックを行い、
問題点を見つけ出し、タイムリーかつ適切なアクションを取っていきます。

○会社の数字から問題を見つけ出すのに必要なのは、「経営数字を読み解くスキル」です。

では、
(1)山ほどある会社の数字の中からどうやって問題を見つけ出すのでしょうか?

(2)適切なアクションを取るにはどんな仕組が必要でしょうか?

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◆数字による管理で有名なS社長は、毎日の報告書をチェックして問題点を見つけ、翌朝出社すると一番に社員に電話を掛けて問題の原因を聞き取り、その場で適切なアクションを指示されています。

●(1)山ほどある会社の数字の中からどうやって問題を見つけ出すか?

○私は、会計監査のスキルを借用するのが有効だと考えます。
会計監査では、
(1)B/S,P/Lに示されている全社合算の数字ではなく、全社合算の数字を【ブレークダウンした数字】をチェックします。
(2)「ブレークダウンした数字」の中から【異常な数字】をピックアップして問題の目星を付けます。
それをより細かなレベルすなわち個々の取引レベルに落としていきます。
個々の取引レベルに落としたら、その担当者にヒアリングして問題を突き止めていきます。

○ここでポイントが2つあります。
(ポイントその1)・・・「どうブレークダウンするか?」
→「部門別に」ブレークダウンします、具体的には、
(1)事業別(商品別)
(2)営業所別
(3)販売地域別
などです。
*どれが適切かは、「アクションを取るための仕組」と密接に関係するため(2)で述べます。

(ポイントその2)・・・「異常かどうかは何と比べるか?」
→3つあります、
(1)「前年同期との比較」
(2)「予算との比較」 (計画に対する進捗のチェックなので当然ですが)
(3)「同業他社との比較」 (上の3つに比べればあまり用いませんが)
そしてこの3つにプラスして、「社長の肌感覚との比較」もあります。

●(2)適切なアクションを取るにはどんな仕組が必要か?

○S社長は電話を掛ける相手の社員を知っています。
当たり前ですが、それぞれの問題に責任を持つ社員は予め決めてあります。

それも、上述の部門別ブレークダウンと責任社員とがズバリ一致するように決めてあります。
部門別ブレークダウンはただ闇雲に行えば良いというものではなく、組織体制とマッチさせる必要があります、場合によっては組織の方を見直す必要もあるでしょう。

→すなわち、(ポイントその1)は次のように言い換えられます、
ポイントその1'・・・【組織体制】にマッチした【部門別ブレークダウン】を。

 

■結論
「組織体制にマッチした部門別ブレークダウン」と「異常な数字を見つけるスキル」とにより、問題を発見し適切なアクションを取ることができるようになります。
計画からアクションまでの全体サイクルが「数字による管理のサイクル」です。


(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。

筆者略歴

山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html
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1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。

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