コラム「経営に役立つ会計」

2011年10月1日

「節税対策の罠」(2)

CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明

◆保険による節税対策の罠

税理士:「社長、今期は業績好調ですなあ。見通しでは利益が5千万円だから税額は2千万円位になりますな。」

社長 :「えっ、この資金繰りの厳しい時期にそんなに税金が掛かるのですか?
何か良い節税方法はないでしょうか、センセイ?」

税理士:「そうですな保険はどうですかな。保険料を年に1千万円払うとすると約4百万円の節税になりますからな、それにこの保険なら5年後に約5千万円戻ってきますしな。」

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●あなたの税理士センセイは保険代理店もされてはいませんか?
で、保険の提案をしてきたことはありませんか、節税と称して?

●そこで、上の話はどこがオカシイでしょう?
○センセイは、5年後に戻ってくる5千万円に対する課税の話をしていない!!
その分に対する税金約2千万円を考慮すれば、5年間通算した節税効果はなくなる!
単に課税時期を5年後に繰り延べたにすぎない!

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●さらに、資金繰りの問題があります!!
毎年の節税額が4百万円なのに対して、キャッシュ支出は1千万円になる(保険料分)から、差引き毎年6百万円のキャッシュ赤字になります。

■つまり、通算すれば節税効果がないもののために、わざわざ資金繰りを悪化させているわけです。

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●さらなるデメリットは、社長が小手先の節税対策にウツツを抜かしている間に本来の経営の仕事が疎かになることです。
もう一つ、その姿が従業員に与えるマイナスの影響です。

■小手先だけの節税対策は、企業文化を破壊します。

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○ただし、誤解のないように付け加えますが、
なにも保険加入を全て否定するわけではありません。
保険加入の本来の目的は「万一に備えること」であり、
必要な保険なら入ればよい、「その結果として節税になった」ということであれば結構な話です。

しかし、節税対策を「目的とした」保険加入となると話が本末転倒であると申し上げているわけです。

 

(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。

筆者略歴

山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html
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1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。

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