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コラム「経営に役立つ会計」
2012年1月1日
「融資だけが目的の経営計画?」
---お金に苦労しない経営のために---
CSAJ 監事 公認会計士 山田隆明
◆最近「経営計画立案」が流行で、経営計画立案ソフトが豊富に出回り、あちこちの会計事務所も経営計画立案業務を始めるようになりました。
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●先日もある金融機関の方と話していましたら、その方は目的の身勝手な経営計画立案が多いと嘆いておられました。
●資金繰りに苦しくなった会社が金融機関から借り入れをしたいために、
「経営計画を利用する」ケースが多いとのことです。
○最初は、「資金繰りが苦しくなったから貸してくれ」と言って金融機関に駆け込んできます。
しかし、金融機関はそれだけでは貸してくれません。
○そこで次に「経営計画を作って」再度駆け込んできます。
しかし、この経営計画は融資を受けることが目的ですから、経営者も「鉛筆をなめて数字を作って」いますし、当然に返済のことなどは考えていらっしゃいません。
○金融機関としては、融資するからにはきちんと返済してもらわなければ困る、返済を無視した身勝手な計画では困るとおっしゃっていました。
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●私も感ずるところがあります。
○ひとつは経営計画ソフトについて。
金融機関向けに経営計画書を美しく作成できるのは良いのですが、会社経営にとってはどう役立つかがはっきりしないものが目立ちます。
○もうひとつは会計事務所について。
会計士の先生方はよくこうおっしゃいます。
「今回の決算は、利益を多く出して銀行に良い顔のできる決算にしておこう。前回は利益を少なくして税金を少なくする税務署対策の決算をやったから、今回は税務署向けはいいだろう。」
あたかも、自分の裁量一つでいくらでも会社に都合の良い決算を組んであげられるのだぞと言わんばかりです。
今期の決算で利益を多く出して金融機関からの融資に成功すれば自分が会社に貢献したと勘違いしています。
その融資が返済できる融資なら貢献といえるかもしれませんが、それなら決算数字をわざわざ作りこむ必要はないのでやはり会計士の手柄ではありません。
○一方、もし返済できない融資だったら、金融機関はもちろん会社に対しても損失を与えたことになります。
返済できない計画は、作ってみてもやがて返済に行き詰まります。そこで仕方なくまた借り入れをする。しかしまた返済に行き詰る。この繰り返しです。
その間、経営者は四六時中お金の苦労ばかり、本業どころではなくなります。「安心できる経営」はできません。
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●たしかに現実問題としては会社の資金繰りが苦しくなることもあります。
頼みの綱の金融機関から融資を受けるために「経営計画」を作らざるを得ないこともあるでしょう。
私は決して経営計画に反対ではありません。そうではなく、積極的に推進しています。
同じ「経営計画を作る」にしても、【ただ単に融資を受けられさえすれば終わり】という計画ではなく、
【立てたからには達成するよう社員全員で頑張る】という計画を作るべきです。
●経営を良くする方法は、「数字による管理」をきちんと行うことです。
「数字による管理」は地道にコツコツとPDCAのサイクルを回すこと、これしか方法はありません。
まず、きちんと計画を作り(Plan)、実行し(Do)、差異の原因を把握し(Check)、対策を講ずる(Action)、そして次の計画につなげる(Plan)・・・。
このサイクルのうち、経営計画は最初のステップ「計画」であって、PDCAの中のPにすぎません。
計画を作っても作りっぱなしで終わるのでは、何の意味もありません。単に時間と手間とコストのムダに他なりません。
当然に、経営の役にも立ってはいません。
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■結論
経営を良くするためには、地味ですがきちんと管理のサイクルを回すこと。
「計画だけで終わり」ではなく、P→D→C→Aとつなげていくこと。
これをコツコツやる、立てた計画を必ず達成するよう社員全員で頑張る。
その結果、利益を上げて、キャッシュを増やしていくこと。
日頃からムダ使いを止めてキャッシュを蓄えておくことです。
こうしておけば、お金の苦労から解放されるばかりでなく、自社の強みを生かせる「チャンス」が訪れた時にチャレンジすることができるのです。
(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
URL:http://cpa-yamada.com/category/1304992.html

1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田隆明公認会計士事務所開業、現在に至る。
−−−税務だけでなく、経営者会計<管理会計、経営指導>を。
2009年9月に社団法人コンピュータソフトウェア協会監事に就任。
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