SaaS研究会 主催パネル討論会
「ユーザ企業からみたSaaSの現実」終了報告

 平成21年2月27日(金)、SaaS研究会主催セミナー「ユーザ企業からみたSaaSの現実」が、トスラブ大久保会議室で開催されました。(参加41名)
 本パネル討論会では、福井コンピュータ株式会社 常務取締役 関東支社長 塚本氏、株式会社良品計画 情報システム担当 情報システム企画課長 山崎氏より、情報システムのユーザ側の情報システムに対する取り組みについて説明が行われ、お二人をパネリストに迎えたパネル討論会を実施いたしました。


『SaaS導入で科学的な営業を実践』

 福井コンピュータは建築、測量、土木分野の各種CADシステムは開発・販売するソフトウェアベンダで 2003年2月より導入したSFAを主力としたSaaSを利用して既存の営業スタイルを改革させている。
導入前と導入後5年を比較した場合、売上げを170%向上させることに成功している。SaaS導入前の課題には営業担当者レベルで報告書類が多い点、マネージャレベルでは情報が分散化・利活用が不可能な点、全体では営業リソースが分散し、モチベーションがダウンするなどの点が挙げられた。これ等を解決するために、様々な顧客情報を利用した仮説にもとづく科学的な営業を実践する目的でSaaS導入を決意した。選定には、既存データの移行、初期投資の抑制、レガシーシステムとの連携、機能要求への柔軟な対応が条件に求めた。システム稼動のためにはシステムを利用するための体制作りとしてマネージャークラスの代表による業務フローの見直しや営業担当者と共に運用好事例作成などを行っている。重要な点は7支社中3社の段階的な導入を実施した点、営業マネージャがシステム利用を推進する点、システム利用を成績評価に反映し、利用しない担当者への罰則規定など体制作りが必要な点、としている。情報システムは如何にマネジメント層が利用するための仕組を構築することが重要である事が説明された。

『情報システムの導入及び変更の判断基準について−良品計画のシステム内製化事例−』

「無印良品」で有名な良品計画は衣料、家庭用品、食品など日用品の商品開発・販売を行う製造小売業で2005年2月より情報システムの再構築をスタートさせた。従来は情報システム部が要件定義を行い、業務システム毎に長期取引で業務への理解度も深い4社のITベンダへ開発及び運用を委託する体制であった。事業競争力向上のために、その中核であるMDプロセス業務の一部を対象にシステムの内製化を行った。システム要件が変化し、機敏さ柔軟性が要求される管理系システム(マスタ管理、数量計画等)は内製化し、確実性や安定性が要求される実行系システム(POS、物流セン
ター等)はITベンダに委託、データ連携はベンダ・ユーザ間で責任を共有する体制とした。システム刷新にあたりスピード開発の仕組を重視し、7割レベルで早めの試作を行い手直しを行いながら完成度を高める手法を採用している。以降、週1本ペースで新機能を追加し、現在の内製化システムは約300システムまで機能拡張している。

パネル討論会『ユーザ企業のSaaSに対する本音』

 福井コンピュータ−塚本氏をSaaS導入ユーザの立場で、良品計画−山崎氏をSaaS未導入ユーザの立場でパネリストに迎え、木下仁(CSAJ副会長/SaaS研究会主査)、前川専務理事をコーディネータとしてパネル討論会を実施しました。 ユーザ企業の情報システム担当者としてSaaSに対する本音を伺い、役に立つ情報システムの在り方について討論していただきました。 聴講者からは普段、ユーザに対して疑問に思う点について多くの質問が挙がり、活発な討論会となりました。