会長挨拶

 

会長

和田 成史(わだ しげふみ)
株式会社オービックビジネスコンサルタント 代表取締役社長

略歴
1952年生まれ。立教大学経済学部卒業。1976年、大原簿記学校勤務。1980年、株式会社オービックビジネスコンサルタント設立。同社代表取締役社 長(現在)。1999年、(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)理事。2000年、JPSA常任理事。2006年6月14日、 JPSA(現CSAJ)会長就任。

2009年 会長年頭挨拶
2008年 会長年頭挨拶
2007年 会長年頭挨拶
2006年 会長挨拶

2009年 会長年頭挨拶

 あけましておめでとうございます。平成21年の年頭にあたりご挨拶申し上げます。
 皆様には、平素より協会の事業・活動に対し格段にご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。本年もなお一層のご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
 世界経済は、サブプライム問題に端を発する金融危機の影響を受けて一段と減速する様相をみせており、外需依存度の高い日本経済も極めて厳しい状況に直面しております。実際、昨年の暮れに発表された2008年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)の改定値が、年率換算で前期比1.8%減とITバブル崩壊後の2001年度以来7年ぶりのマイナス成長を記録するなど各種の経済指標をみても、景気の後退がはっきりしてまいりました。
 こうした状況の中で、情報投資への悪影響が懸念されておりますが、ITやソフトウェアの重要性に変化が生じたわけではありません。ITは生産性を飛躍的に向上させ豊かな生活を実現する重要な鍵でありますし、電話やインターネットを含む情報通信ネットワークはもちろん、電気、ガス、交通機関、金融システムなどの社会インフラから家庭内のさまざまな機器までコンピュータによってコントロールされる世界になっていることを考えると、社会のITやソフトウェアへの依存度は高まる一方であり、ソフトウェアは、社会インフラや企業活動はもちろん、我々の日常生活を支える情報システムの要としてますます重要度が高まっています。
 (社)コンピュータソフトウェア協会は、その重要性が増しているソフトウェア製品に係わる企業が約500社集まり、ソフトウェア産業の発展に係わる事業を通じて、我が国産業の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的としている団体であり、オープン、フェア、グローバルを3つの柱に、各種の活動を展開しております。
 そこで、ソフトウェア業界の課題について展望いたしますと、足下の景気悪化への対策は別にして、中長期的な視点に立てば、資源に乏しく人口減少が進む日本にとってソフトウェアに対する期待は非常に大きなものがあります。そのような中、当協会として取り組んでいくべき特に重要な課題は、SaaS(Software as a Service)やクラウドコンピューティングといったソフトウェアにおける大きな潮流の変化への対応、情報システムの信頼性向上、高度IT人材の育成、業界の国際化、IT系ベンチャー企業の育成、プライバシーマークの付与認定審査事業を通じた個人情報保護などであると認識しております。
 まず、インターネットの向こう側にあるリソース(ハード、ソフト、データ)を利用して情報処理を行うSaaS、クラウドコンピューティングについては、日本がもつ世界最高水準のブロードバンド環境を活かして、これまでITの利活用が遅れている中小企業やサービス業の情報化を促進する原動力として大きな期待がよせられています。実際、SaaSの利用は着実に拡大しており、データセンター事業を含むASP/SaaS関連市場は、2012年に2兆円規模になるという予測もあります。しかしながら、SaaS、クラウドコンピューティングのビジネスは製品の販売ではなくサービスの提供であり、対価の回収も通信サービスのように毎月の利用料金を徴収する課金型になるため、サービスを提供する側もサービスを受ける側も、これまでのソフトウェア製品ビジネスとはいろいろと異なる面があります。当協会としても、こうした課題について、委員会・研究会の活動や調査を通し、ユーザ・ベンダ双方の課題を検討してまいります。
 情報システムの信頼性向上については、平成19年度に、中小企業の取引の多数を占めるパッケージを利用した情報システム構築のためのモデル取引・契約書の策定のための活動を(社)日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)と共同で進めてきました。これは、日本市場における特に中小ベンダと中小ユーザ間の、曖昧でトラブルの原因となり易い開発・運用等を是正するためのモデル契約・ガイドラインであり、これを普及させることによって業界の健全な発展が期待できます。当協会は、昨年に引き続き本年もこのモデル契約・ガイドラインの普及活動に貢献していこうと考えております。
 IT人材の育成については、昨年に引き続きCAD利用技術者試験等の認定試験やITSSの利活用の推進、山梨学院大学や産業能率大学等との産学連携などに加え、本年から始まるITパスポート試験の普及促進を通し、人材の育成を進めて参ります。
 ソフトウェア業界の国際化については、4年前から日中韓で持ち回り開催しているAsia Enterprise Application Forumが中国で開催予定になっており、これに協会として参加するほか、中国ビジネスに関する研究会活動、海外への視察団の派遣などを通じて業界の国際化を積極的に進めていく予定です。
 また、IT系ベンチメ[企業の育成については、すでに60回以上の開催実績を誇るアライアンスビジネス交流会で、優れた技術や製品・サービスをもつ有望なベンチャー企業の発掘とビジネスマッチングの推進に努めてまいります。
 さらに、当協会は、平成19年7月に(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)からプライバシーマーク付与認定指定機関として認定を受けており、そのプライバシーマーク付与認定審査事業の一層の拡大を目指して個人情報保護の推進に寄与して参りたいと考えております。
 以上のように、本年も引き続き、経済産業省と共に、日本のソフトウェア産業の健全な発展のみならず、日本経済の活性化のために活動してまいりますので、皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、平成21年がよき年となることを心より祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

2008年 会長年頭挨拶

 新年あけましておめでとうございます。
 日本経済は、近年比較的順調に景気回復の道を歩んで来たようでありますが、昨年末から、為替相場、株価、原油価格などの不安材料が顕在化してきております。その中でソフトウェア業界は、経済・社会の基盤産業として大きな役割を果たしつつ、日本国内のみならず、国際社会を舞台に厳しい競争を繰り広げています。また、昨年発売されたクライアントOS「Windows Vista」に続き、今年はサーバOS「Windows Server 2008」の発売を予定しているとの発表もあり、新技術と相まって、ソフトウェア業界の大きな転換期になるものと考えます。
 このような状況の中(社)コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)では、オープン、フェアー、グローバルを柱に、コンピュータソフトウェア振興のための各種委員会・研究会の開催、国際的展示会の開催、技術者の育成のための認定試験の実施、国際連携強化フォーラムの開催等様々な活動を展開しており、これに伴い、年々会員数も増加し、今や500社以上にもなりました。
 今年の課題について展望致しますと、まず年末には公益法人制度改革がスタートし、公益法人も法の趣旨にのっとり、各々目的と役割を明確にしていくことが求められるでしょう。当協会と致しましては、今後とも日本のソフトウェア産業全体の健全なる発展のため、各般の事業を推進して参る所存であります。
 特に、ここ2〜3年は、中小企業のIT化のための国家政策プロジェクトがいくつも立ち上がりましたが、その一つのツールとして昨年来SaaS(Software as a Service)が本格的に稼動し始めたところです。当協会としても、微力ではありますが、SaaSの実証実験や調査を実施しているところで、ユーザー・ベンダー双方の課題解決に向け、鋭意努力して参ります。
 また、情報システムの信頼性を向上するための施策も経済産業省として取り上げられており、当協会では、(社)日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)と共同で、中小企業ユーザーとベンダーのパッケージソフトウェアを利用した情報システムの取引における「モデル取引・契約書」も検討しているところであります。
 さらに、日本のソフトウェア業界が出遅れている国際化も、今後の重要課題でありましょう。当協会では3年前から日本・中国・韓国でERP関連のフォーラムをスタートし、昨年10月には、第3回目を日本で開催し、企業提携などの具体的事例が現れつつあります。国際関係においては、すぐに成果を求めることは難しいと思われますが、今後も中国やベトナム等と日本の関係がますます強固になっていくものと予想されます。また、アジアにとどまらずヨーロッパやアメリカへの進出にも注目していくべきと考えています。
 最後に、当協会は、ソフトウェア業界のみならず、日本の経済・産業の発展にも寄与すべく、今年も頑張って参る所存でおりますので、皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2007年 会長年頭挨拶

新年あけましておめでとうございます。

 現在、日本の景気は一歩一歩その回復速度を上げており、新しい国づくりが着々と進んでいます。その中で、「BI(ビジネスインテリジェンス)」や「SFA(セールスフォースオートメーション)」、「CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)」など、情報を有効活用するためのビジネスキーワードがIT業界だけではなく、幅広い業界へと浸透しているという事実は、ソフトウェア業界の社会に果たす役割が日々拡大し続けていることを顕していることに他ならないと思います。

 今年、平成19年に目を向けてみても、コンシューマー向けの発売が間近に迫るMicrosoft社の最新OS「Windows Vista」による64bit化する社会、ブロードバンドの普及やAjaxなどの新しいWeb技術による「Web2.0」世界の本格的な到来などが控えており、昨年来の「内部統制」などと相まって、業界内でのさらなる競争激化を予感させます。

 また、昨秋より導入された「MNP(モバイルナンバーポータビリティ)」の普及にみる携帯電話インフラの充実、技術革新、低価格化、サービスの多様化などにより、これまで以上に携帯電話に対応するソフトウェアの進化が求められ、競争も激しさを増していくことでしょう。このことから考えても、ソフトウェア業界はPC・携帯電話などのデバイスの垣根を問わず、競争面においても技術面においても今年は大きな転換期に入ると思います。

 この転換期において、業界全体の成長を永続的なものとするためには、多様化し、変化を続けるユーザニーズを的確に捉えることが重要な意味を持ち、そのユーザニーズに対し、いかにソフトウェアが応えていくかが発展への礎となります。もちろん今後も市場における競争は激しくなります。しかし、競争の質に変化がもたらされつつあり、業界内での競争は共存と融合の方向に進むと考えております。「放送と通信」が融合を遂げようとしているように、各々が参入する市場での基盤を固めながら、ハードウェアとソフトウェアという垂直な連携だけでなく、領域の異なるソフトウェア間の水平な連携を強化してゆくことこそが、ビジネスの発展を促し、ソフトウェア業界だけでなく我が国の発展に寄与するものと考えます。

 さらに、国際化戦略の一環として、CSAJでは、平成19年10月に、「アジアEA(Enterprise Application)フォーラム」を日本で開催する予定となっています。本フォーラムにおいて、日本のソフトウェアが持っている技術力とその役割をアジアはもとより、全世界へとアピールする場となることを強く期待しています。

 昨年、設立20周年という大きな節目を迎え、当協会は「(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)」から「(社)コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)」へと団体名称を変更いたしました。平成19年という新しい年を、新しい団体名として迎え、今年から新たな20年の歩みをはじめますが、これまでの20年の活動の中で得た皆様のお力添えをいただきながら、ソフトウェア業界のみならず日本の経済・産業の発展にさらなる貢献をすべく、今年も歩みを進めてまいります。

オます。

2006年 会長挨拶

 我が国経済は、企業収益の改善等により、民間設備投資の緩やかな増加傾向が続き、景気は回復基調の推移を示し始めています。そのような中で、個人情報保護法や新会社法の施行など、企業は益々自立とその責任、また明確な使命を求められてきていると言えます。
 さて、IT産業はこれらの社会状況への対応においても最も重要な産業として位置付けられ、さらにインターネットの本格的普及によって、新ビジネスへの期 待も高まっています。特に、昨年来、インターネットへの次世代活用の理念と技術が相まって、情報の整理、情報の秩序、情報の関連付け、の実現によって「知 の産業」が誕生しつつあります。さらに、それらの知の集合体は提供側だけでなく、その周辺の人々、利用者などを巻き込み、それ自体が進化するという、今ま での概念を覆すかのような社会現象をも垣間見せています。 
 一方、世界の社会構造・経済構造においても、この先5年10年で大きな変革が予想され、次世代インターネットの新たな波を予感せざるを得ません。正にこ の時、設立20周年を迎えたJPSAは、その存在意義と社会貢献を自ら問うべきと考え、今年度は、10月に団体名称を「社団法人コンピュータソフトウェア 協会(CSAJ)」に変更するとともに、コンピュータソフトウェア業界以外の理事(有識者等)4名を加えた40名に理事の構成を再編し、以下のテーマを もってコンピュータソフトウェア業界の発展のためにその役割を担って参りたいと思います。

1.CSAJの利用価値の向上
CSAJの活動は多岐に渡っておりますが、その活動内容の充実について改めて検討して参ります。コンテンツとしては、従来からの法的問題、税制問題、国際問題、人材問題、市場・技術に関する問題、また、会員のビジネスチャンス拡大、企業の社会的責任とリスクの課題、OSS普及・啓蒙の課題等がありますが、それらの情報の相互関連性をも考慮しながら、研究・議論を経て情報発信を図って参ります。
2.社会におけるIT化の促進
新しい法制度などにいち早く対応した課題の解決策としてのIT利活用を社会に訴えて行きます。
3.技術人材部族への対応策の検討
2007年問題も含め、IT業界のイメージアップを図る施策を検討します。また、試験事業(CAD利用技術者試験とパソコン財務会計主任者試験)の更なる質の向上と普及によるIT業界の人材育成への貢献に努力いたします。
4.パッケージソフトウェア企業の国際化支援と育成
国際活動では、平成17年度来の「アジアERPフォーラム」が挙げられますが、日本・中国・韓国を中心とするアジアのソフトウェア企業が交流し連携するこ とで、アジアから世界に向けてソフトウェア情報を発信することの可能性を探ります。また会員の米国進出への支援を日本貿易振興機構(JETRO)などと協 力しながら進めます。

 また、新事業としてPマーク付与指定機関の設立。パッケージソフトウエア製品群の分野別Data-Base−ポータルサイト−の運用。ベンチャー企業育成の一環である準会員制度の継続など行って参ります。
さらに、これらの情報発信において、過去の活動蓄積も含めたメニュー作り、入手し易く分かり易いホームページ作りなど、手法も十分に検討を続けていきます。

 JPSAは、「社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)」として生まれ変わり、今後も皆様と共に歩んで参りますので、更なるご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。