一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
~ デジタル庁は実現か? 単なる私の推測ですが、、、~

2020.09.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 このコラムが更新されるのは9月15日、その前日には自民党総裁選挙が行われ、実質的に総理大臣が決まっているでしょう。報道によれば、現在の官房長官、菅義偉氏に決まるのがほぼ確実と言えそうですので、その前提で書きます。彼の総裁選に向けた政策も見ますと、新型コロナウイルス対策はもちろん、省庁の縦割りの打破、それに地方の活性化など6つの項目を盛り込んでいますが、やはり私が役人経験者ということもありますが、私的にもっとも 菅氏らしいと思われた政策は「省庁の縦割りの打破」 です。ブログを見ると、「なかなか進まない政策課題は大体、複数の役所にまたがり、「役所の縦割り」が壁になっているものです。災害対策でも、縦割りが壁となり、全国で国交省所管以外の約900のダムが洪水対策に使われていませんでした。 政治主導で見直しを進め、全国で新たに八ッ場ダム50個分の水量について事前放流してダムの水位を下げて、大雨時に下流の水位を下げることになりました

 ポストコロナに向けてデジタル化の必要性が明らかになりましたが、かねてより「行政のデジタル化の鍵となるマイナンバーカードの普及が進んでいない」と指摘されています。できるものから 年内に具体策を講じつつ、複数の役所に分かれている政策を強力に進める体制を構築【デジタル庁か?】 します。」とありますが、前半は自分の縦割り打破の実績、後半は「デジタル庁」構想のことだと思われます。

 菅氏は内閣人事局で実際に役人の一番の弱点である幹部人事を差配し、官邸主導で政策を実現し、具体的成果を上げてきた自信があるのでしょう、他の方が謳うのであればいざ知らず、彼が言うと 本当にデジタル庁が出来そうな現実味を感じる のは私だけでしょうか。

 というのも、縦割り行政の打破は、「言うは易し、するは難し」の典型だからです。私が40年近く前に役所の入った時に1年上の先輩から言われた言葉は「 役所はある意味やくざと同じで縄張りと冠婚葬祭の世界だよ 」(もちろん今はこんなことを言う方は既に霞が関にはおられないと思いますので念のため)でした。役所は自分の縄張りの死守のためには必死に頑張ります。それは人事、すなわち出世に最も影響するからです。菅氏であれば人事と絡めてそこのところを上手くやるのではないかと私には思えます(あくまで推測)。

 はるか昔ですが、某総理だったような気ががしますが、旧郵政省と経産省等の情報部局を統合して「情報省」構想というのを掲げたことがありますが、各省の反対であっという間に消えてなくなったことがありました。つい最近も菅氏本人が「情報通信省」構想を提唱しましたが、すぐ消えました。その点、今回の「デジタル庁」構想は、担当範囲が行政のデジタル化だけを意味するのか、 民間のデジタル化の推進も含まれるのかは不明 な所がミソではないかと思うのですが、(あくまで私の推測で言えば)ある程度関係の役所と話がついているような気がします。

 というのは、現在官邸は総理秘書官の顔ぶれから経産省が主導権を取っていると言われています。であれば、官邸の実質的な主である 菅氏から彼らを通じて総務省や(少なくとも)経産省等には既に根回しが済んでいるのではないか と思わざるを得ません。狭い了見で見れば、デジタル関係部局を手放さざるを得ない各省は一見反対しそうにも見えるのですが、 デジタル化という明らかに府省横断的でないと進められない政策を本気で実現するためには、各府省に跨るデジタル関係部局を巻き込んで体制(司令塔機能)を強化した方が良い というのは自明の理です。従って、政策官庁として霞が関で一流を自負している省の方々がその大義を前にしてそれ程強く抵抗するとは私には思えないのです。さらに、デジタル庁が民間のデジタル化まで含むという前提で敢えて言えば、むしろ 新たに出来たデジタル庁と連携又は同庁を上手く活用して所管する業界のデジタル化をスムーズに推進して成果を上げる方が政策官庁の政策官庁たる所以ではないか と私なら考えます。多分、CSAJの会員企業の皆さんも「デジタル庁」構想に賛成の方が多いと思われますが、如何でしょうか?

 話変わりますが、政府の分科会の専門家が、新型コロナ感染者の増加は7月末がピークであったと発言してから、幸い目に見えて新たな感染者の増加が落ち着いてきているように見えます。CSAJでは、9月25日に会員感謝の集いを開催する予定であり、9月9日の理事会でも開催が再確認されました。理事会は地域活性化の観点から京都嵐山付近の会場で実施しましたが、有名観光地であった会場周辺は新型コロナによる外出自粛やインバウンド需要の消滅で燦燦たる状況でした。GO TOキャンペーンに批判的な報道も目にしましたが、 同キャンペーン、地方の観光地の皆さんは本当に感謝しているのではないでしょうか ?その意味で、今回の総裁選でも同キャンペーンを進めた菅氏に結構地方票も入る気がします。今度の 会員感謝の集いが当業界や会員企業の皆様の活力となり、元気を出して頂けるキッカケになればと心より願う 次第です。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。