一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
~デジタルアーキテクチャーデザインセンター(DADC)、IT人材白書2020など~

2020.11.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 

 ついに11月3日米大統領選挙を迎えました。直前、日米とも株が大きく下げていましたが、勝敗が見えてくると不確定要素が払拭された安心感でしょうか、両国とも株が急上昇し、日本は今年に入って最高値を更新しました。新型コロナで欧州や米国の一部の州では再びロックダウンが実施され、今後経済の雲行きもかなり怪しいのですが、テレワーク、巣籠需要でGAFAといわれるIT企業が主導して株価は上がっているようです。ただ、 景気は今年度下期にかけて新型コロナの感染拡大の影響次第ですが、あまり楽観できないのではないか と思っている次第です。

 さて、先日人材委員会が開催され、IPAの河野様から、5月15日に設立されたアーキテクチャーデザインセンター(DADC)についてご講演して頂きました。これは昨年12月に改正情報処理促進法が公布され、IPAにDADCの設置が規定されたことによります。現在、世の中は猫も杓子もDX(デジタルトランスフォーメーション)に乗り遅れまいと必死な状況になっています。特に、ITベンダー以上にユーザー企業が熱心なようですが、 データ連携によりあらゆる主体が“つながる”中で、システム全体の基本設計たるアーキテクチャーの欠如により、研究開発、製品・サービス開発、デジタル投資、事業戦略の策定が進んでいません

 例えば、製造業では、①多数のシステムが連携するオープンシステムになるため、自社で開発する システムの設計範囲が定まらず開発が困難・コストも増大 するとか、②自社で全ての関連商品を提供できなくなったため他社と連携しなければならないが、これまで 個別の技術開発や自社システムの個別最適しか考えてこなかったため、システム全体の最適設計ができず、事業戦略が立てられな などの声があります。

 従って、DADCの機能としては、政府からのスマート保安、Maas、自律移動システムなどの重要分野のアーキテクチャー設計の依頼への対応や民間企業が設計したアーキテクチャーのレビュー・標準化支援、当該アーキテクチャーの設計プロセスの日本企業へのオープン化(公開)、アーキテクチャー人材の育成・循環など、内外の機関と連携しながら実施していくことを想定しているとのことでした。世の中DXだ!といっても人材がいません。私的には、 DADCには特に実践の場や理論の学習機会の提供を通じたDX人材の育成・循環に期待したい と思った次第です。

 人材に話が移ったところで、私が有識者として編集に関与していることもあり、最近IPAから公表された「IT人材白書2020」について触れさせていただきます。まず、IT企業のIT人材の量、質の過不足感ですが、2015年からの推移を見ますと 量質とも昨年度よりIT人材の不足感が少し緩和 しています。緩和した理由としては、新型コロナの感染拡大前からシステムの受託開発等の受注量の減少が一因とのことでした。また、IT企業の事業内容をDXへの取り組みの有無で比較すると、DXに取り組んでいる 企業(DX企業)は、「IoT、ビッグデータ、AI関連サービスの開発・提供」、「RPA、ビジネスプロセス最適化(データの整備、準備)の開発・提供」、「パッケージソフトウェアの開発・提供など」がDXに取り組んでいない企業(非DX企業)よりも割合が高い との結果でしたので、CSAJ会員企業はDXへの関心が高いのは当然なのかなと思った次第です。人材の採用面では、非DX企業よりも DX企業は「中途採用」や「新卒採用」、「外国人採用」を行っている割合が高い との結果でした。

 今月号は11月12日にIPA様とCSAJ幹部との意見交換会が開催されましたので、IPAの話題でツブヤキをさせて頂きました

 

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。