一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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「専務のツブヤキ」
~DX投資促進税制、中小企業の範囲拡大、バーチャルオンリー株主総会等~

2021.02.15

CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎

 2月7日までであった緊急事態宣言が3月7日まで1か月延長されました。それにもかかわらず株価は堅調で日経平均が3万円を伺うところまで来ました。年末のコラムで当時の日経平均2万7千円から年度末までに3万円に向かう確率と2万3千円の純資産倍率1倍に下がる確率では後者の方が高いかもしれないと警鐘を鳴らしましたが私の杞憂に終わるかもしれませんね。ただ、今の株価が日銀によるETF買いなどによる未曾有の金融緩和による異常な株高ではないか?、 ワクチンの接種などコロナ関係で少し悪いニュースが駆け巡ると急落も十分ある という警戒心は変わりません。また、 日経平均が銘柄の組み替えによりかなりIT関係、DX銘柄などを多数採用 している点を私は考慮していませんでした。米国のNASDACと相関がかなり高いように思われますが、ご承知のようにNASDAC指数は絶好調で連日最高値を更新している状況です。

 ところでDXに話を戻しますが、3年毎に見直されることになっていた2月5日に 産業競争力強化法の一部改正案が閣議決定 されました。今回の見直しの背景はもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて日本経済が戦後最大の落ち込む危機に直面する中で、古い経済社会システムから脱却し、「新たな日常(withコロナ)」への構造変化を図る意味合いが強いものと考えています。柱としては① 「グリーン社会」への転換 、② 「デジタル化」への対応 、③「新たな日常」に向けた事業再構築、④ 中小企業の足腰の強化 、⑤ 「新たな日常」に向けた事業環境の整備 の5つが挙げられています。

 現下の情勢の中で、なぜ「グリーン社会」への転換が1番目なのかという気がしないでもない(^_^;)のですが、「グリーン社会への転換」ための事業者の取組の計画を主務大臣(業所管大臣)が一定の基準に適合していることを確認した上で当該計画が認められれば、 カーボンニュートラルに向けた投資促進税制 の恩恵が受けられます。具体的には、①脱炭素化効果が高い製品の生産設備の投資促進のため 化合物パワー半導体、燃料電池、電気自動車等向けリチウムイオン蓄電池、洋上風力発電設備の主要専用部品等の生産に専ら使用される設備の導入 及び②生産工程等の脱炭素化を進める設備の投資促進のため 事業所等の炭素生産性(付加価値額/エネルギー起源CO2排出量)を向上させる計画に必要となる設備(例えば省エネ設備などか)の導入 に対し、 税額控除10%又は特別償却50% を措置です。

 次に、「デジタル化」への対応ですが、これもグリーン社会への転換と同様に、企業のDXを進める全社レベルの計画を主務大臣(業所管大臣)が一定の基準に適合していることを確認すれば、 DX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制 を受けられます。具体的には、部門・拠点ごとではないデータ連携・共有を伴う全社的レベルのDXに向けた計画を主務大臣が認定した上で、 DXの実現に必要なクラウド技術を活用したデジタル関連投資(ソフト・ハード双方) に対し、 税額控除最大5%又は特別償却30% が適用されます。これは、CSAJ会員企業の商売にも深く関係しますので早期の法案成立、施行が待ち望まれます。

 また、中小企業の足腰の強化では、 一部の国からの中小企業支援策に対して中小企業の定義が緩和 され対象が拡大されるようです。現在中小企業の定義については資本金又は従業員規模で縛りがかかっていますが、 資本金要件は外し たうえで 従業員規模の要件も製造業(300人以下)で500人以下、卸売業(100人以下)で400人以下、サービス業(100人以下)及び小売業(50人以下)で300人以下 と広げられる予定です。モノづくり補助金や IT導入補助金が対象となるかどうか 、CSAJとしても注視していきたいと考えています。

 さらに、「新たな日常」に向けた事業環境の整備では、なんと バーチャルオンリー株主総会が可能 になるそうです。会社法上、株主総会を招集する場合には「場所」を定めなければならないとされていて、バーチャルのみでの株主総会の実施は困難なところ、 上場会社が経産大臣及び法務大臣による確認 (どのような要件かは現時点ではわかりません)を受けた場合は、バーチャルオンリー株主総会を実施できる特例を設けるとのことです。

筆者略歴

笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)

1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。