一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

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経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 年頭所感

2020.01.01

令和2年 年頭所感

経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課
課 長 瀧島 勇樹  

  令和2年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

あらゆるものがデジタル化する時代を迎えており、急速に進展するスマートフォン、SNS、AIなどの「デジタル技術・サービス」、デジタル技術を駆動させる戦略資源としての「データ」、デジタル技術・サービスの恩恵を受ける一方で、激しい変化の中にある「国民生活・ビジネス」など、その獲得競争が国際的にも激しさを増してきています。

 「データ」は、「21世紀の石油」とも称され、イノベーションの源泉としてのますます重要なものとなっており、昨年1月に開催されたダボス会議では、自由で開かれたデータ流通とデータ安全・安心を目指す「DFFT(データ・フリーフロー・ウィズ・トラスト)」のコンセプトを世界に発信し、6月のG20首脳会合では、このコンセプトに合意が得られました。

 また、同6月には、デジタル時代に求められる政府横断的なIT政策の方向性を「デジタル時代の新たなIT政策大綱」として決定しました。

 そして、経済産業省においては、企業のデジタル経営改革の実現、社会全体でのデータ連携・共有を容易にするための「アーキテクチャ」の策定、クラウドサービスの安全性評価などを推し進めるべく、第200回国会において「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法案」を提出し、昨年11月末に成立、12月に公布をしたところです。

 社会全体がデジタル化され、データ化されていくことは、経済・社会構造全体に影響を及ぼすこととなります。これまでは、ともすると、別々だと考えられていた経営・事業というものと、ITシステムというものとの関係が、一体化していくこととなります。調達から在庫管理、流通、販売、顧客までのプロセス全体がデジタル化していくということは、ビジネスの構造全体・経営全体がデジタルと一体化していくことにほかなりません。

 こうしたなか問われるのは、企業の成長を実現する要素としてのデジタル・トランスフォーメーションです。既存の業務プロセスをデジタルで置き換えて業務効率を高めるだけではなく、顧客との関係を構造的に変化させ、新たな価値を生み出していくようなトライが世界各地で生まれています。レガシーシステムを刷新し、2025年の崖を超え、こうした新たな価値が生み出されていくことが重要です。

 これまで経済産業省においては、DX指標などの自己診断指標を整備してきました。加えて、改正された情促法を踏まえ、企業のデジタル・トランスフォーメーションの取組ついてステークホルダーに対して説明していくにあたっての指針(デジタルガバナンス・コード)を策定します。また、こうしたデジタルガバナンス・コードに沿って取組を進める企業を認定し、企業とステークホルダーの対話を促進するための制度整備を進めます。あわせて、IT補助金などの支援策を活用し、中小企業におけるデジタル・トランスフォメ―ションも進めていきます。

 DXを実現するためには、デジタル技術に対応した人材の発掘・育成が重要となります。IPAで実施している未踏事業や、コンピュータソフトウェア協会で事務局を担っていただいているプログラミング・コンテスト等を通じて、自らのアイディアで新しい未来を拓く、ITエンジニアの育成に引き続き注力します。

 また、AI・IoT、クラウドといったデジタル技術の変化に対応して学びなおしの機会を提供し、高度な専門性を身に付けてキャリアアップを図っていただくことも重要と考えております。専門的・実践的な教育訓練講座を経済産業大臣が認定する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」があります。令和元年12月時点で77講座を認定しておりますが、多様な講座に加え全国で受講の機会を確保するため、今年1月より、全ての授業をeラーニングで行う講座も認定できるよう対象を拡大しました。会員企業の皆様におかれましても、社内のリカレント教育、スキルアップにご活用いただければと思います。

 デジタルに関するスキルを持つと同時に課題を自ら発見し、解決していく能力を磨いていくことも重要です。AI QUESTという事業を本年から開始しておりますが、ケーススタディを中心とした実践的な学びの場で、参加者同士が学びあい、AI活用をしていく能力の向上を図っていきます。

 デジタル技術が活用される大きな可能性のひとつは、人口減少などの課題を抱える地方にあると考えています。経済産業省では、産学官が連携し、課題解決や新たなビジネス創出のため、デジタル技術を活用したプロジェクトに取り組む地域を「地方版IoT推進ラボ」として選定しています。平成28年にはじまり、これまで全国101地域を選定しました。ある地域のラボで生まれた新製品・サービスを、他のラボが導入する例や、貴協会開催のCEATEC2019に19のラボが合同出展するなど、地域発のデジタル技術・サービスがビジネスへと発展してきています。また、すべての小中学校において、PCを1人1台提供する取り組みも進んでいきます。地域におけるIT活用の基盤が整っていくと考えます。これまで以上に、地域間のコミュニケーションの機会を増やし、経産省・他省庁の施策も活用いただき、各地方においてデジタル・トランスフォーメーションの動きが広がるように後押ししていきたいと考えています。

 デジタル技術の進歩・普及は、企業のビジネスモデルや国民生活に、様々な変化をもたらしていますが、多様な働き方の実現にも大きく関わっています。インターネットにつながる環境で、デバイスさえあれば、場所と時間に縛られず、多様で柔軟な働き方ができる今、テレワークの普及が重要だと考えています。また、テレワークの普及は、働き方改革への一助だけでなく、今年開催される東京オリンピック・パラリンピック大会での交通渋滞緩和にも寄与します。職場に出勤せずとも自宅等で仕事ができるテレワークを、より多くの企業等の皆様に実施いただき、都内のスムーズな交通移動の実現、ひいては大会の成功に貢献しましょう。

 2017年から、大会の開会予定日である7月24日を含む週を「テレワーク・デイズ」とし、広く企業等の皆様にテレワークの実施を呼びかけさせていただき、貴協会におかれましても、毎年、多くの会員企業の皆様にもご参加いただいております。本年は、大会本番の年となります。過去最大規模でテレワークの実施をいただきますよう、皆様におかれましてもご協力の程、よろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、コンピュータソフトウェア協会及び会員の皆様が、我が国のデジタル・トランスフォーメーションを牽引していただくことを期待するとともに、皆さまにとって、新しい年がより良き年となりますよう心から祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。